日々の研究活動(2)2018年4月21日(土)(小川)

今日は数学史京都セミナー(第144回)に参加しました.セミナーでは現在ディオファントスの『数論』を読んでいます.もともとはギリシア語ですが,一部欠落していて,その一部はアラビア語に翻訳されたものが残っています.正確に言うとギリシア語では全13巻のうち1,2,3,4,5,6巻が残っていて,アラビア語では4,5,6,7巻が残っています.といっても4,5,6巻は内容が互いに異なっているので,全体の構成がどのようだったかはよくわかっていません.

これまでにギリシア語の第1,2巻を読み,現在アラビア語の第4巻を読んでいます.といっても私はアラビア語はわからないので,楠葉先生が直訳された日本語で雰囲気を理解するばかりです.(アラビア語はギリシア語やラテン語よりもはるかに敷居が高く,手が出ません.)

ディオファントスの『数論』といえば,フェルーマーが余白に「驚くべき証明を発見したが,余白は狭すぎてここには書けない」と書きつけたことで有名です.これは第2巻の第8問で,たまたま私が担当になっていたときでしたので,その原文を読んでいささかの感動を覚えました.もっともフェルマーはラテン語訳文の方を読んだらしいのですが...
 

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