里海里山研究室について

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四日市大学環境情報学部・千葉賢が進める里海里山の研究内容をご紹介するWebページです。
最終変更は平成29年1月28日です。

■ 現在の研究内容

  1. 里海の環境動態と保全
    伊勢湾の貧酸素水塊の研究を中心に、英虞湾、有明海などの里海の環境動態を研究しています。 また、伊勢湾の漂流漂着ゴミの研究と保全活動を行っています。

  2. 里山の環境調査と保全
    鈴鹿山脈のブナ林の毎木調査、いなべ市北部集落で獣害調査を行っています。 これから、北勢地域の竹林の健康度調査と環境保全活動を開始します。

  3. 地図アプリ開発
    GoogleMaps APIを用いた地図アプリの研究と開発を行っています。 最近は、three.jsを用いた立体地図の開発も始めました。

  4. Mobileアプリ開発
    Javaを用いたAndroid用アプリの開発、Monacaを用いたHybridアプリの開発、Windows Mobileアプリの開発などを行っています。

  5. その他(グリーンツーリズムによる地域活性化活動など)
    地域資源を再発掘して住民の方々に知らせ、住民主体のグリーンツーリズムにより地域活性化を進める研究活動を行っています。

■ 里海の環境動態と保全

■ 伊勢湾の海洋動態

科学研究費助成事業・基盤研究(C)「海洋低次生態系・海底堆積物結合モデルによる伊勢湾の中長期的水質底質特性の研究(2011~2013)」(研究代表者)でモデルの研究を進め、 現在は三重県との共同研究の中で伊勢湾の海底堆積物の調査などを実施し、モデルの高度化・精度向上を行いながら、貧酸素水塊の長期化現象の研究を実施しています。 また、伊勢湾の環境動態を把握するための観測データの収集分析を行っています。

◎ 公開中の観測関連データ

  1. 伊勢湾の水質水平鉛直コンター図
    三重県水産研究所が実施してきた伊勢湾の浅海定線観測のデータ(1972年以降)から作成した水質の水平鉛直コンター図です。

  2. 国交省の伊勢湾水質定点観測データの鉛直コンター図
    2010年に設置された国交省の水質定点観測データから作成した水質鉛直コンター図です。

  3. 伊勢湾の水質水平コンター図
    環境省の広域総合水質調査データ(1978年以降)を用いて作成した伊勢湾の水質の水平コンター図です。

  4. 伊勢湾の水質観測点位置図
    三重県水産研究所、愛知県水産試験場、海上保安庁、国土交通省が実施している水質調査の測点位置図です。

  5. 伊勢湾の3次元地形(three.jsを利用)
    日本海洋データセンター JODCが公開している伊勢湾の水深データをthree.jsを用いて立体化しました。 伊勢湾の海底地形を理解するのに有効です。

■ 有明海の海洋動態

九州大学総合理工学研究院・松永信博教授を研究代表者とする科学研究費補助金・基盤研究(A)「諫早湾における物理・生物環境の総合調査-6.27諫早湾干拓佐賀地裁判決を受けて-(2009~2013)」に研究分担者として参加し、主に諫早湾の海底堆積物モデルの構築に協力しました。

九州大学総合理工学研究院・松永信博教授を研究代表者とする挑戦的萌芽研究「大気・海洋結合モデルによる有明海における筑後川起源水の流動機構の解明(2011~2013)」に研究分担者として参加し、主に有明海の高精度の流動モデルの開発に協力しました。

■ 英虞湾の海洋動態

2002年から2007年までに実施された地域結集型共同研究事業「閉鎖性海域の環境創生プロジェクト」(三重県の英虞湾を主な研究フィールドとする)に研究リーダーとして関わり、 多数の観測・実験・数値モデルの開発と解析を実施しました。その結果については報告書や論文で報告してきましたが、もっと詳しく報告すべき内容が多数残っています。 また、事業後にも三重県の予算補助を受けて、数値モデルの改良と解析を進めました。近い将来、これらを論文化する予定です。

■ 伊勢湾の漂流漂着ゴミ

2014年度から伊勢湾の漂流漂着ゴミの研究を始めました。漂流漂着ゴミの流動漂着モデルを開発し、湾内のゴミの輸送経路、発生源推定、湾全体のゴミ収支計算などを行っています。 2015年度の冬季に三重県と協力して、答志島奈佐の浜に定点カメラを設置し、カメラ画像から漂着量を推定し、気象や波浪・潮位データとの関係を調べました。 この研究を2017年度に再開する計画があります。

■ 里山の環境調査と保全

■ 鈴鹿山脈のブナ林の毎木調査

ブナは日本海側の森林を構成する代表的な樹種で、冷涼な気候を好みますが、鈴鹿山脈の山頂付近にも大規模な林地があります。 地球温暖化により、このブナ林の衰退が危惧されるため、四日市大学自然環境研究会と共同で2011年から2013年までの3年間に毎木調査を行い、3000本を越えるブナの位置、胸高直径、樹高、枝数、地盤の方位、地盤の斜度などに関するデータベースを作成しました。

■ いなべ市北部集落で獣害調査

グリーンツーリズムによる地域活性化を目指し、いなべ市北部集落に出入りするようになりましたが、地域の方々から獣害の解決・改善が先決だという話を聞かされ、 IT機器を生かした獣害調査を始めました。2016年夏から、車とドライブレコーダーを使ったルートセンサス調査を続けています。 ドローンと赤外線センサーを使った獣害調査も計画しています。

■ 地図アプリ開発

■ Google Maps APIを利用したアプリケーション開発

観測データ等を表示することを目的に、Google Maps APIを用いた地図アプリを開発してきました。 本サイトには、この技術を用いたWebアプリを多数紹介しました。以下は、その基本形と呼べるアプリです。

  1. Plot4Gmaps
    観測データなどをマーカーやメッシュ塗りなどで表示するのに用います。
    緯度経度線、行政区画線の描画など多機能です。
    四日市周辺大気のNO2濃度一斉調査のデータ分析用に開発しました。2012年と2016年に実施された大阪のNO2濃度一斉調査(調査地点1万点)にも活用されました。
  2. Pre_P4g
    住所から緯度経度を求めるのに用います。10件までの住所を一括して変換できます。
    変換できた地点にはマーカーが表示されます。
    地図をクリックして緯度経度を求めることもできます。

この技術を用いて、地域資源を表示・紹介するアプリを作成しました。

  1. いなべグリーンツーリズム電子地図PC版
    四日市大学が採択された「地(知)の拠点整備事業(文科省)」の中でいなべ市の自然資源・文化資源を現地調査し、その成果を電子地図にまとめました。 モバイル版アプリはナビゲーション機能もついています。

■ three.jsを利用した立体地図アプリケーション開発

three.jsを用いて伊勢湾の3次元地形アプリを作成しました。 伊勢湾の海底地形を理解するのに有効です。貧酸素水塊の3次元コンター図も表示可能です。

■ Mobileアプリ開発

■ Androidアプリ開発

最近は研究を進めていませんが、次のアプリを開発してきました。これらは全て、Windows上でエディタとコマンドプロンプトを用いて開発しました。Eclipseは用いていません。

アプリ名をクリックするとダウンロードできます。Android端末でこのページにアクセスし、ダウンロードして利用してください。

  1. マンデルブロ集合アプリ
    マンデルブロ集合を描画します。マルチタッチにより小区画の拡大を繰り返すことで、マンデルブロ集合の持つフラクタル特性を確認できます。マルチタッチによる拡大・縮小、シングルタッチによる図形の移動ができます。実行例の動画を示します。

  2. ブロック崩しアプリ
    定番のブロック崩しゲームです。衝突判定が甘い部分があり、思わぬ動きをするときがあります。実行例の動画を示します。

  3. 波紋アプリ
    非常にシンプルなアプリで、マルチタッチ(5点までOK)すると、そこから波紋が生じて画面に広がります。実行例の動画を示します。

  4. 水面波アプリ
    マルチタッチ(5点までOK)すると、そこから波が発生して広がります。「波紋アプリ」と異なるのは、水面波(浅水波)の物理方程式を解いている部分です。波が反射・干渉する部分が面白く、美しいです。かなり重いアプリなので、スマートフォンでの実行は厳しいかもしれません。実行例の動画を示します。

  5. 墨絵アプリ
    幻想的な墨絵を描くアプリです。指で画面をなぞって流れを起こし、次に流れに墨を注ぐと、墨が流れに乗って広がり、時々刻々と変化する墨絵を描きます。指のなぞり方によって、いろいろな流れを起こせます。ナビエ・ストークス方程式という流体の物理方程式を解いています。かなり重いアプリなので、スマートフォンによる実行は厳しいかもしれません。実行例の動画を示します。

  6. ケルビン・ヘルムホルツ不安定再現アプリ
    「王様のアイデア」で販売されていたビジュアルアート玩具の再現アプリです。容器内に密度が僅かに異なる2つの液体が成層した状態で現れます。スマートフォンやタブレットPCを傾けると重力の作用で流体が動き出し、2つの液体の界面にケルビン・ヘルムホルツ不安定が発生して美しい渦を作ります。容器を完全に逆さまにすると、この場合はレイリー・テイラー不安定によりキノコ状の渦が発生します。ナビエ・ストークス方程式という流体の物理方程式を解いています。かなり重いアプリなので、スマートフォンでの実行は厳しいかもしれません。実行例の動画を示します。

  7. 水時計アプリ
    厳密な意味での水時計ではなく、密度の異なる2流体による密度流時計です。密度が僅かに小さい流体(青色)が、その流体を貯めている小区画(桶)に設けられた小穴を通して噴出し、密度の大きな流体(赤色)内を上昇します。表面張力を考慮しているので、噴出した流体は円形になろうとしますが、粘性もあるので、せん断されて複雑な形状になります。桶が空になるまでの時間を測る時計です。ナビエ・ストークス方程式という流体の物理方程式を解いています。かなり重いアプリなので、スマートフォンでの実行は厳しいかもしれません。実行例の動画を示します。

■ Windows Mobileアプリ開発

鈴鹿山脈のブナ林の毎木調査において、Trimble社のJuno 3BというGPS受信機能を持つPDAを使って、樹木の位置と諸情報(樹高、樹径、幹数、斜面方位など)を記録収集しました。Juno 3BはWindows Mobile機です。 この目的のために、GPS信号の処理のできる専用のアプリ(名称はBunaGPS)を開発しました。既に3年間の調査を終えましたが、このアプリは安定に動作し、データの収集に大変役立ちました。 現在は、高松干潟におけるハクセンシオマネキの巣穴位置調査で、このアプリを活用しています。

JUNO 3Bのアプリケーション表示画面。最下部にBunaGPSのアイコンが見える。 BunaGPSを起動して緯度経度データ等を表示している画面。 大学の裏山をBunaGPS(マーカーと緑線)とm-241(廉価なGPSロガー、紫線)で計測した例。BunaGPSのデータが遊歩道に沿っており正確。

■ その他

■ 伊勢湾集水域の河川を遡上しながら地形や土地利用を紹介する動画(Google Earth使用)

  1. 朝明川
  2. 内部川
  3. 十四川

■ 研究に関連したその他の動画

  1. 鈴鹿山脈ブナ林の四季
  2. グリーンツーリズム関連「いなべの自然は日本の宝」動画
  3. グリーンツーリズム関連「いなべ市藤原町鼎地区の景観を紹介するドローンによる撮影動画(その1)」
  4. グリーンツーリズム関連「いなべ市藤原町鼎地区の景観を紹介するドローンによる撮影動画(その2)」
四日市大学環境情報学部
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