2012年四日市公害判決40周年セミナー報告

四日市大学環境情報学部・粟屋、武本、播磨

2012年8月10日(金)-12日(日)に 四日市大学9101教室にて、四日市公害判決40周年セミナーを実施しました。1日目は、市民や団体の方々約100名が参加。午前中に三田産廃処分場やコンビナート企業群、フェロシルト投棄現場など見学し、昼食。休憩後、午後には、 「日本の公害とこれからの四日市」として、大阪市立大の宮本憲一名誉教授が基調講演、「72年の公害判決勝訴によって、全国の公害に歯止めをかけ、公害対策の原点となったが、成果が都市の環境政策に生かされておらず、四日市が最も遅れていて、公害資料館もやっと設置の機運となった。環境再生の視点から町づくり(特にウォーターフロント)を検討しなくては。」と述べました。ついで、シンポジウム「四日市裁判闘争と市民運動」として、澤井、栗田、郷、伊藤(章治)各氏による裁判の勝利の過程での苦闘の状況、この米本判決が政財界を震え上がらせた結果、公害対策が進んだとのこと。しかし、市民運動は四日市では低迷したことなどが述べられました。
2日目はシンポジウム「40年の歴史とこれからの四日市」で河村、唐沢、野田、伊藤(栄)、矢賀の各氏による討論会で、異臭魚問題や中電・三重火力の当時の現場内部、公害教育や患者救済活動・公健法の実情などが紹介されました。午後は、「全国の運動と資料館の交流」とのことで、四大公害のうちで,他の3地域の水俣病資料館、新潟水俣病資料館、今年創設されたイタイイタイ病資料館などの現状報告と全国の患者の会の活動が述べられました。
3日目は「地震・津波とコンビナート災害」愛知大学の宮入興一教授の話で、東日本大震災の教訓にどう四日市コンビナートと市民は学ばねばならないかが紹介されました。また、市民による環境活動が紹介され、高松干潟・磯津環境学校・Aカフェ・デポネット・環境市民大学よっかいち・森林整備からの発表がありました。最後に、「2012ノーモア公害宣言」を採択し閉会となりました。

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