平成25年12月18日に、中国科学院生態環境研究センターの大気と水質の研究者2名が本学を訪れ、環境情報学部の新田義孝教授、武本行正教授、粟屋かよ子元教授と交流しました。この訪問は、(財)国際環境技術移転センター(ICETT)の「四日市公害にかかる研修」事業の中で実現したものです。
2名の中国の研究者は、まず四日市市や市内のコンビナート企業を見学し、その後、本学で3教授と日本や中国の大気汚染問題について議論しました。日本の経験は参考にはなるが、政治体制の違いや中国は国土が広いこと、エネルギー源の転換は日本のようには石炭から石油やガスには転換できないことなどがあり、汚染削減のための資金も少なく状況は厳しいと説明がありました。
新田教授からは石炭の替りとなる石灰石炭植物ガラ団子のバイオブリッケット(脱硫・脱硝・脱PMに効果あり)を紹介しましたが、これも普及はまだ困難とのことでした。
現在も中国の大気汚染は凄まじく、全国でスモッグが多発し、日本への越境汚染も話題になっています。中国政府も2000年より脱硫装置を設置し始め、大規模煙源からの排出量は低下しているとのことでした。しかし、NOx(窒素酸化物)や煤塵は増えており、環境対策の優先順位は低く、当面は経済発展優先とのことでした。
「中国人研究者と交流できたことは大変有意義であったが、何とかして中国国内での環境投資への優先順位を上げることが重要だ。」と武本教授は感想を話してくれました。

交流サロンでの討論の様子

研究員による中国の汚染状況の説明