環境特殊講義「環境保全と斜面防災を両立した防災技術」

平成26年6月13日(金)に第10回目となる環境特殊講義が行われ、日鐵住金建材株式会社の岩佐直人様が「自然に学ぶ!環境保全と斜面防災を両立した防災技術」と題する講義を行いました。岩佐様はノンフレーム工法と呼ばれる環境に優しい斜面防災技術を開発された方で、「夢の扉」や「カンブリア宮殿」などのテレビ番組でもその活動を取り上げられています。
 
講義は日本で自然災害の多い理由の説明から始まり、「がけ崩れ」「地すべり」「土石流」などの斜面災害の種類と事例、また斜面の安定対策(従来工法)の紹介が行われました。その後、ノンフレーム工法の詳しい説明に移り、樹木の根の存在で斜面が安定することをヒントに開発されたことや、その科学的な原理の解説がなされました。
 
ノンフレーム工法を用いると、自然植生をそのまま保全でき(木を切らなくて良い)、それゆえ生態系への影響を最小限に抑えることができ、また、その区域の気温上昇を抑え、必要な土木資材も大幅に減らせる(コストダウンできる)との紹介がありました。施工事例とともに、施工実績も年々伸びているとの説明もありました。
 
豊富なデータや写真とともに、ユーモアを交えた分かり易い解説で語りかける岩佐講師の講義に、聴講者は引き込まれ、あっという間に講義が終わりました。講義後には、「耐用年数はどれくらいか」「自宅の裏山の斜面が心配だ。どのような点を注意して見ると良いか」「ステンレスを使って耐用年数を増やすことを考えないのか」などの多数の質問があり、岩佐講師はそれぞれに丁寧に答えておられました。
 
岩佐様、大変有益な講義をありがとうございました。
 
今年度の環境特殊講義も残すところ5回になりました。「非常に有益な講義だ。もっと地域の人達に宣伝して、参加者を増やすべきだ。」と毎週、聴講者の皆様から激励をいただいています。本講義の参加は無料です。是非、ご参加ください。
 

岩佐直人講師の講義の様子


分かり易いスライドで講義は進められた


新田教授の質問に答える岩佐講師

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