2014年10月28日に、国際環境技術移転センター(ICETT)の「天津セミナー国内受け入れ研修」事業により、天津市環境保護局の大気の担当者3名、監察総隊や科学研究院の工程師ら4名が来日し、ICETTで大気汚染対策の総括討議を行いました。一行は10月15日に来日し、四日市市長・議長を表敬訪問後、市内のコンビナート企業や大気測定局を見学し、北九州市や神戸市、碧南石炭火力を訪問しました。
総括討議では、武本教授とICETT担当者が加わり、現在の中国の大気汚染の詳しい状況を話し合いました。そして、北京市と天津市周囲の煙源対策が喫緊の課題であると意見が一致しました。
現在も中国の大気汚染は凄まじく、全国でスモッグが多発しています。日本への越境汚染も話題となりました。ただ、中国政府も大規模煙源に対して2000年より脱硫装置を設置し始め、SOx(硫黄酸化物)の排出量はだんだん低下しているとのことです。しかし、NOx(窒素酸化物)の対策は進んでおらず、また煤塵・PMは増えているとのことでした。華北の環境対策として、大気汚染防止条例が北京市で2014年3月に施行され、天津市も2015年の3月前後には同条例を施行予定とのことです。
「北京・天津・河北省では、PMの削減目標25%を2017年までに達成するために、石炭・車・工業・建設工事・粉塵発生の5項目の対策を推進しており、今回の討議ではいろいろと有意義な話を聞けた。中国では環境改善への取組みのプライオリティが着実に上がりつつあると感じた。」と武本教授は感想を述べていました。