環境特殊講義の2回目を平成27年4月17日に実施しました。今回の講師は玉置泰生様で、「四日市公害と環境行政(行政官の視点で)」と題して、四大公害の概要、四日市公害の歴史と終息までの状況について、四日市市の助役だった立場からお話しいただきました。
諸外国のコンビナートと比べた場合の四日市コンビナートの特異性(第1・2コンビナートが住宅地に隣接)、四日市コンビナートの稼働後(昭和35年頃)すぐに病気等の異変が起き、1年後には調査が始まったこと、裁判による公害認定には時間がかかったが、行政は患者救済(医療費補助)を早期に始めていたこと、他に技術が無い中での高煙突化は、根本的な解決策ではなかったが、対策後にすぐに近隣の亜硫酸ガス濃度の低下が起きたこと、国の調査団が来るまでに時間がかかったが、国の調査結果が出ると世論が一気に変わったこと、国が総量規制と亜硫酸ガス対策を決定すると、民間が脱硫装置の開発などに積極的になり、環境ビジネスも生まれ、それが公害を終息させたことなど、当時の状況を時間軸に沿って、分かり易く解説していただきました。
学生からは「公害について、初めて行政の立場からの話を聞けて、大変参考になった」「住民からの訴えや情報発信が重要なことを改めて認識した」「今はインターネットがあるので、公害の情報などを住民は知り、発信することができる」「四日市コンビナートも当初は地域の方々から歓迎され、日本を豊かにするものだと期待されていたことや、当時は公害対策技術が未熟であったことを知った」などの声がありました。
第3回目講義は4月24日(金)10時50分から、9号館1階の9101教室で行います。予約不要、無料の公開授業です。是非、ご参加ください。
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