平成27年6月26日(金)に第12回目の環境特殊講義を実施しました。今回のテーマは「三重県の小学校におけるESD実践活動」で、四日市大学エネルギー環境教育研究会の矢口芳枝事務局長が講義全体をとりまとめ、ESD(持続可能な発展のための教育)に取り組む2つの小学校の先生に登壇していただきました。
名張市立薦原(こもはら)小学校の松田淑子先生からは、「ギフチョウから考える・薦原の自然と未来」と題して、小学4年生たちがギフチョウの観察や、地域の方々との交流を通じて、地域の素晴らしさを学ぶ教育についてお話しいただきました。地域を愛する心を育む教育がESDにとって大切とのお話しでした。薦原小学校では国語、算数、社会など多くの科目がESDで連携しているとのお話もありました。
桑名市の津田学園小学校の窪田裕志先生からは、「水辺の環境教育」と題して、嘉例川での水質と生物調査や、子供達が結果を発表する公開授業についてお話しいただきました。子供達のレポート紹介では、ESD教育を通じて子供達が気付いたことを具体的に説明していただき、授業の様子と成果が良くわかりました。長い目で(環境や社会を)見ることを学ばせることを大切にESD教育に取り組んでいるとのご説明でした。
なお、両校は環境省の平成25年度と26年度のESD人材育成事業に選定され、モデル授業に取り組みました。
一般聴講者からは、「ESDの具体的な取り組みについて、そういうことかと理解できた」「授業の目的が自分の生まれ育った地域に愛着を持たすことだということに賛同します」「自分の時代には、このような地域を学ぶ授業はなかった。とても良いことだと思う」などの意見がありました。
学生からは「ESDを多くの人に知ってもらうために、ワクワクできる授業から始め、次第に深いことを学んでいけば良いと思う」「自分の身の周りでも田んぼの生物が減ってきているので、田んぼを題材にして自然調査を行い、改善方法を自分の頭で考えるようなESDに取り組むと良い」などの意見がありました。
3人の講師の皆様、良い講義をありがとうございました。