土壌分析(3) 有効態リン酸(トルオーグ法・モリブデンブルー法)(廣住)

 四日市大学環境情報学部の廣住講師の研究室では、土壌の持つ性質や土壌中に含まれる栄養素・化学物質を化学分析によって測定しています。今回は土壌中に含まれる栄養分であるリンの測定法について紹介します。

 リンは植物の生育に必要な栄養分のひとつで、窒素やカリウムとならんで、肥料の三要素と呼ばれています。リンが不足すると植物はうまく育ちませんが、逆にたくさんあげすぎてしまうと、余分なリンが河や海に流れ込んで富栄養化を引き起こすなど、環境汚染の原因にもなります。農作物に肥料をあげるときは、もともと土壌中にどれくらいのリンがあるのかを調べた上で、適切な量を与える必要があります。

 土壌中にはいろいろなかたちでリンが含まれていますが、そのなかには植物が利用できるものと利用できないものがあります。「有効態リン酸」とは土壌中に含まれるリン酸のうち、植物が吸収しやすいと考えられているリン酸のことです。日本では、pH 3 に調整した抽出液を加えて、リン酸を抽出・測定する「トルオーグ法」が広く使われています。

 写真では、トルオーグ法で土壌中のリン酸を抽出し、モリブデンブルー法で青色に発色させて、分光光度計を用いて比色法でリンの濃度を調べています。

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