東京神保町の岩波書店で開かれた『関孝和全集』の編集会議に出席しました.4名の編者は皆,関孝和数学研究所の研究員(客員も含みます)です.
この全集は詳細なテキスト批判に加えて,解説,現代語訳,原本の写真,読み下し文,関連資料なども含んでいますので,普通の「全集」のイメージとは少し異なっているかも知れません.多くの最新の研究成果を含む現時点での関孝和研究の集大成といったところでしょうか(自画自賛的ですが).
わたしは月に一度開催されるこの編集会議で,必ず新しい発見に出会います.そんな現場に居合わせることができるのは本当に幸せなことです.と言うといささか他人事のようですが,実際,わたしは先生方の報告に感嘆するばかりで,自ら向上したことといったら原稿遅れの言い訳の腕ばかりです(自信あり).
編集作業はすでに12年ほど続いているので,編集者としては「新しい発見もいいが,いいかげん脱稿してほしいッ」と思っているに違いありません.