伊勢竹鶏物語

四日市大学エネルギー環境教育研究会(会長:新田義孝氏、事務局長:矢口芳枝氏)は平成21年に「伊勢竹鶏物語~3Rプロジェクト~」を立ち上げ、地域に余っている竹資源の活用を目標に活動を開始しました。新田義孝氏は環境情報学部の教授です。環境省や日立環境財団からの助成を受け、3R(reduce, reuse,recycle)を目指した養鶏の実証試験を行ってきました。

地元小企業が持つ「アライ菌」という微生物で竹粉末を処理したものを5%程度養鶏飼料に混ぜると鶏卵の品質が向上することを発見し、これに廃棄物として捨てられる有機物(未利用野菜くず、パンくずなど)を混合して3R飼料を開発しました。システムの循環型ループの概念図が下方にあります。

「アライ菌」を添加した竹粉末を敷材として使うことで鶏糞の臭いを大幅に低下させ、養鶏場付近の環境を維持させることにも成功しました。得られた鶏糞肥料は優れた有機肥料になることも実証実験で確認しました。

このようにして育てられた鶏の肉と卵は極めて良質で、鶏卵については写真のように楊枝が立つほどです。卵の品質を示すハウユニットも非常に高いレベルを示すことが確認されました。

卵は「竹っ鶏卵」と愛称がつけられ、環境情報学部学生が設立した養鶏会社により実験的に販売されています。また、四日市の高級洋菓子店タンブランが「竹っ鶏卵」を利用した「にわさんのため息」というブランド菓子を考案し、これを鳥羽の老舗旅館戸田屋が販売しています。

マスコミにも大きく取り上げられ、平成22年には「第1回まるごと四日市地域ブランド品」に、平成22年度の環境白書にも取り組みが掲載されました。

現在は四日市大学の北西に位置する下野地区で、地域のNPO法人と協力して伊勢竹鶏物語を事業化し、高齢者や障害者の雇用促進と孟宗竹に悩む里山の保全に貢献しようと計画を進めています。

四日市大学エネルギー環境教育研究会公式サイト

伊勢竹鶏物語の循環型ループ

竹鶏卵の健康な様子

四日市タンブラン製のエクレア

四日市タンブランさんの「にわさんのため息」

鳥羽の戸田屋さんの茶碗蒸し

下野地区での伊勢竹鶏物語の展開

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