大学キャンパスのナラ枯れ調査(千葉)

全国的にナラ枯れ被害が発生しており、三重県北勢地域でも鈴鹿山脈を中心としたミズナラの枯れ死が増加しています。四日市大学キャンパスの里山はコナラ林で、1960年代~70年代の燃料革命以降は放置されてきたと考えられ、大学が開学した1988年以降も計画的な管理はなされていません。現在、樹齢60年を超えるコナラの高木が増え、コナラの立ち枯れや、倒木も発生するようになりました。
 
ナラ枯れの原因はカシノナガキクイムシが媒介する病原菌による伝染病で、高木(大径木)ほど発生しやすく、感染した木を放置することで被害の連鎖が発生すると考えられています。そのため、計画的な里山の管理や、感染した樹木の撤去が重要ですが、なかなか実行できていないのが現状です。
 
そこで、まずは現状把握をするために、千葉賢教授のセミナーが調査を開始しました。大学キャンパスの里山の面積は約4万平方メートルで、概略調査では約300本のコナラがあると推定されています。2017年5月8日に千葉セミナー3年生の藤崎君と平野君が調査を開始し、zone1(写真)でコナラの毎木調査を行い、約60本の位置(緯度、経度、標高)、胸高直径、樹高、枯れ死の有無、カシノナガキクイムシの穿孔有無などのデータを記録しました。
 
今回の調査で、枯れ死したコナラを多数発見しましたが、一方で、その周りに非常に多くのコナラの幼木が育っていることも確認できました。このような林地の変化を観察し、記録してゆくことも重要と考えられます。今後も調査を続け、まずは大学キャンパスのナラ枯れの全容を明らかにする予定です。
 

四日市大学キャンパスの里山(Zone1~Zone5)


調査を行う藤崎君と平野君


調査中


2018年5月8日の調査で確認したコナラの位置

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください