千葉研究室では河川敷に漂着しているペットボトルの販売年代の調査を実施しています。2018年の庄内川河口の調査で、2000年前後のボトルが多数回収され、最も本数の多いボトルは販売年代が2006~2010年のもので、最近のボトルよりも古いボトルの方が多く見つかったためです。
2020年度に員弁川の調査を当時の4年生のシェルパ・ダワ君が卒業研究として取り組みましたが、1990年代のボトルも多数回収され、最も本数の多いボトルの販売年代は2016年で、2017年以降の新しいボトルよりも多いことが分かりました。
これらの結果は、ペットボトルが頑丈で分解しにくいこと示すとともに、プラスチックゴミが陸から川を通じて海に流出する過程の滞留特性を表している可能性があります。20年以上も前のボトルが多数見られるということは、プラスチックゴミの陸と川での滞留時間がかなり長いということになります。
回収されたボトルの本数が最大となる販売年代が庄内川で古いのは、河川流域の大きさの違いが関係している可能性があります。
両河川で回収された最近のボトル数が少ないのは、ペットボトルの回収率が上がってきていることも関係していると見ており、もしそうであるならば、プラスチックゴミの管理を厳重に行うことで、海洋プラスチックごみを減らすことが出来るという先例になるのではと考えています。
千葉研究室では、今年度に木曽川での調査も計画しています。
員弁川でのペットボトルの調査についてですが、5月30日(ごみゼロの日)の中日新聞の三重版で取り上げられました。中日新聞のWeb版にも掲載されており、こちらからご覧になれます。