NPO法人「森林の風」の森林保全活動を見学(千葉)

菰野町千草を拠点に森林保全活動を続けておられる認定NPO法人「森林の風(もりのかぜ)」を訪問し、会長の瀧口様から保全活動の目的と現状や新しい取り組みについてお話を伺うとともに、菰野富士付近のパッチディフェンスの施工現場を見学させていただきました。

パッチディフェンスは獣害対策の一手法で、広範囲をネットで覆うゾーンディフェンス、樹木毎にネットで覆うマンディフェンスに比べて、獣害抑止効果が高く、費用も低く抑えられるとされています。パッチディフェンスでは外周12m×12mの区域を高さ約2mのネットで覆います。シカは助走してフェンスを飛び越えますが、この狭さだと助走距離が足りずに脱出できないため、立ち入りにくく、また、小さいためにシカが檻と認知するために、抑止効果が高いと考えられているそうです。

実際に、5~6年前に施行されたパッチディフェンスを見学しましたが、囲いの中は樹木や植物がこんもりと育ち、植樹したミズメなどは樹高5mまでに成長していました。一方、囲いの外は獣害のためか、植物はかなり少ない状況でした。

環境情報学部の有志教員は、四日市大学自然環境教育研究会の保黒様と共同で、朝明渓谷源流部のブナ林の調査・保全活動を行っており、今後はブナ稚樹の移植を計画しています。今回の見学は、そのための情報を集める目的で実施しました。見学を受け入れていただいた「森林の風」の瀧口様に深く感謝申し上げます。

「森林の風」では、森林保全教育のために多様な取り組みを実施されており、地域の多彩な樹木からアロマの採取なども行っておられます。その匂いを嗅がせていただき、森への思いを深めて帰って参りました。この活動には、千葉研究室の4年生2名と卒業生1名が参加しました。


これから立ち入る森の説明を行っている瀧口会長(左から2番目)
パッチディフェンスの様子。かなり頑丈という印象を受けた。降雪にも強いとのこと。
人工林の中のパッチディフェンスにも案内いただいた。スギ林の中はヒルが多く、ヒルを払いよけながらの見学となった。

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