大気中のNO2(二酸化窒素)は呼吸器系疾患(特にぜん息)の原因物質と疑われ、全国各地で市民による測定活動が行われています。
四日市では本学環境情報学部の教員有志からなる大気汚染調査研究会(代表・武本行正教授)が調査を実施しています。
(こちらに情報があります。)
大阪では昨年5月に住民による大規模な調査が行われ、先日、その調査報告書が公表されました。この調査は第7回大阪NO2簡易測定運動実行委員会が実施したもので、参加者4,384人、設置カプセル9,468個という壮大なものです。大阪府全域を覆う調査でした。
この大阪の調査は1978年に開始され、それ以降、5年から6年の間隔で実施されて来ました。昨年の5月に実施するにあたり、実行委員会のメンバーから本学の研究会に観測結果の表示ソフトについての相談がありました。
それ以降、環境情報学部の千葉賢教授が実行委員会メンバーと協力して表示ソフトの開発を進めて来ました。このソフトはGoogle Mapsを利用したもので、ブラウザに表示されるGoogle地図上にNO2の濃度図やマーカー等を描きます。(実際のソフトはこちら。)
Google Mapsを利用することで、測定参加者がネット上でデータを閲覧できる、拡大・縮小・移動なども自由に行え、自分が測定に参加していることを実感できる、などのメリットがあります。
実行委員会の許可を得て、報告書の表紙と報告書内の濃度分布図を以下に掲載しますのでご覧ください。
なお、この調査では、健康調査アンケートも同時に実施され、沿道・非沿道のぜん息の有症率に違いがあることなども見出されました。
千葉教授は、「情報技術を環境問題の改善に役立てるというのは環境情報学部の目標であり、お役に立てて嬉しい。」と話しています。