福島県葛尾村は福島第1原子力発電所の事故により全村避難(人口約1,500名)となった地域です。避難先で厳しい生活を続けている方々を元気づけるために、小中学校の校歌を再録音してプレゼントすることは出来ないかという話が葛尾村役場で持ち上がり、役場に勤務する大橋正敏君(環境情報学部卒業生)から2014年春に環境情報学部の関根辰夫准教授に一通の相談の手紙が届きました。それ以来、関根准教授と大橋君の交流が始まり、計画が進み始めました。
その後、本学の入試広報室を通じて併設校の暁中学・高等学校の合唱部(顧問:岩木和樹教諭)と暁高校の合唱部(顧問:瀧口恵理子教諭)に相談し、校歌の斉唱に協力してもらうことも決まりました。
そしていよいよ昨年末の12月26日(金)に本学スタジオで校歌の収録が行われました。この様子が、CTYのニュースエリア便で放映されましたので、是非、ご覧ください。
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今後は小中学校の3学期中に葛尾村を関根准教授が訪問して、小中学生の歌声を収録し、高校生の歌声とミキシングしてCDを制作する予定です。
関根准教授からは、「私自身もそうですが、暁高校の合唱部の学生も、また手伝ってくれた四日市大学の学生たちにとっても、現地に足を運ばなくても被災地の方々に喜んでもらえる方法があるということを実感できたのではないかと思います。」「今回のプロジェクトが現地での録音後、良い形で完成した暁には、これで終了ではなく、その他の村や町の校歌なども同じような形で広げていけたらと思います。」とコメントがありました。
また、収録に参加したメディアコミュニケーション専攻・音響セミナーの2年生である長谷川朝美さんは「大学生と高校生は普段はオープンキャンパスなどを通じて関わることが多いのですが、今回のような活動を通じて関わることがあまりないので、良い経験になりました。」と話してくれました。同期の乙野一義君は「新しく録音した校歌は学校生活を送る生徒たちの大きな心の支えになると思うし、この録音で合唱の練習をしてもらえると嬉しいです。また、自分の学んでいる分野が人の役に立つことになり、とても嬉しく思っています。」と話してくれました。
葛尾村の方々に歌声が届く日は春頃になる予定です。