中京テレビの報道バラエティ番組「キャッチ」の2020年10月22日(木)の放送で答志島の漂着ごみ問題が取り上げられました。近年、漂着ごみが増えて黒ノリの中にプラスチック片が混ざるなどの漁業被害が起きているという内容でした。
答志島は伊勢湾沿岸で最もゴミが集まる場所ですが、その理由を私が説明しました。映像は著作権の関係で紹介できないので、下図で説明します。
伊勢湾に流れ込む河川水の7割は木曽三川が占めます。伊勢湾に流れ込むゴミも同河川からのものが多いと推定されます。同河川から流れ込んだ水は、地球の自転の影響を受けて、上から見て時計回りに回転し、三重県沿岸に沿って湾口方向(太平洋の方向)に流下します。
この流れの下流に位置する答志島にゴミは漂着しやすく、特に、同島の奈佐の浜は北西側に開いているので、もろにゴミを受け止めてしまいます。北西風の吹く、10月以降には特に漂着し易くなります。
奈佐の浜は伊勢湾の中で最も漂着ごみが集まる海岸ですが、同時に、マイクロプラスチックも非常に多いことが、私の研究室の調査で判明しています。
別件ですが、昨日、三重県伊勢庁舎で南勢志摩地域海岸漂着物対策連絡会議が開催され、三重県庁と7市町村の担当者、市民団体、皇学館大学などが参加し、活動状況等を報告しました。
この会議で講演の時間をいただき、伊勢湾の海洋ゴミの実態について、私から報告させていただきました。多くの方々と交流ができ、有益な時間を過ごせました。