2021年7月10日(日)18:30より、四日市市立プラネタリウムで四日市大学の公開講座を開催しました。プラネタリウム主催の宇宙塾との合同の企画として実施しました。講師は環境情報学部の黒田淳哉助教で、講座タイトルは「失われゆく夜について考える」でした。
新型コロナの感染予防の関係で、定員を70名に絞りましたが、満席となり、年配の方々からお子様まで、幅広い年齢層の方々にご参加いただきました。
講座は非常に工夫が施されたもので、プラネタリウム関係者の方々と打ち合わせの成果を感じられました。プラネタリウムの機能を生かして、光害(ひかりがい)の有無で四日市の星の見え方がどう変わるかなどを体験させるところから講座は始まりました。
続いて、黒田先生の専門である照明の種類や歴史、光害の発生源である光源の種類と特性へと話題は進み、いよいよ光害の話が始まりました。光害については、その影響(生態系への影響、天体観測への影響など)や、国の考え方(環境省のガイドライン)を説明した後に、自分の地域の光害の程度を知る方法(Light Pollution Mapの活用)や、カメラや測器を用いた夜空の明るさの測定方法と、実際に黒田研究室で進めてきた四日市市内の測定結果の説明などがありました。最後に、照明の専門家として、光害を軽減するための光源対策への提案もあり、盛りだくさんで、全ての話がしっかりと繋がっていました。
夜間照明は犯罪防止や、観光やビジネスとして必要なものがあります。そのために、夜は明るくなる一方で、四日市市には天の川を観察できる場所はほんの僅かしか残っていません。四日市市の夜の光をどのようにしてゆくのかについて皆で関心を持ち、考えてゆく必要があるというのが、黒田先生の講座の趣旨であったと思います。
講座の最後に質問票を集めましたが、非常に多くの質問で、全てに答えきれず、黒田先生は講座後に個別に対応なさっていました。多くの方々から、講座はとても良かったと感想をいただきました。
この講座にご参加いただいた皆様と、今回の企画にご協力いただいた四日市市立博物館とプラネタリウムの関係者の皆様に深く感謝申し上げます。