伊勢湾でも海洋ゴミが問題になっています。伊勢湾の流域には愛知・岐阜・三重・長野県が含まれ、岐阜と長野県は内陸部なので海ゴミを直接見たり、その話題を耳にすることは少ないと思われます。一方、三重県や愛知県の沿岸部は海洋ゴミの被害を受けており、特に、鳥羽市周辺には大量のゴミが漂着し、漁業被害が発生し、ゴミの除去に多額の費用が毎年発生しています。その中でも、鳥羽市答志島奈佐の浜の漂着量は極めて大きいことが三重県の調査で分かっています。
22世紀奈佐の浜プロジェクトは、この問題を改善してゆくために、愛知、岐阜、三重県の環境団体が組織したプロジェクトで、100年後の奈佐の浜のゴミをゼロにすることを目標にしています。毎年10月頃に、200名から300名の参加者が奈佐の浜で海岸清掃を続けて来ました。参加者には市民以外に、行政・企業関係者も含まれています。
2020年度と2021年度は新型コロナのために、活動を休止しましたが、この度、プロジェクトが主催し、千葉研究室が協力する形で、岐阜市立長良西小学校と鳥羽市立鳥羽小学校を結んで、海ゴミに関するオンライン交流会が実施されました。長良川中流域に位置し、内陸部で暮らす長良西小の子供たちと、答志島から通う子供たちも含まれる海辺の鳥羽小の子供たちが、海ゴミについて発表をし、意見を交換することで、お互いの気持ちを理解し合い、海ゴミに関する知識を深められると考えたわけです。
交流会では、最初に鳥羽市長の中村欣一郎様からご挨拶をいただき、続いて、プロジェクトの委員長であり、答志島の漁師でもある小浦嘉門様から海ゴミの現状のお話をいただきました。そして、15分間づつ、両校の5年生の子供たちが、これまでに学んできたことや、地元のこと、自分達の小学校のことなどを発表を行いました。
元気で礼儀正しい発表で素晴らしかったです。その後、質問タイムとなりましたが、時間の関係で多くの質問を受けられなかったのが残念です。
この交流会の実施に際して、鳥羽市長、両校の校長先生、5年生担任の後藤翔大先生(長良西小)、中村文典先生(鳥羽小)には大変お世話になりました。また、Zoom Webinarによる交流会の主催を一般社団法人ClearWaterProjectの瀬川様にお願いしました。交流会に参加・協力いただいた全ての皆様、取材いただいた新聞社やテレビ局の皆様にも感謝申し上げます。