十四川は大学近隣の富田地区を流れる延長約4kmの小河川です。典型的な都市河川で、周囲は三面張りされ、河道は直線的です。岸沿いには約600本のソメイヨシノがあり、地域の方々の憩い場となっています。開花時の桜は見事で、4月には桜祭りが行われています。
このように愛されている十四川ですが、水生生物が少なく、楽しさ・豊かさに欠ける部分があり、また下流部ではヘドロの蓄積も見られます。このような中で、「十四川を守る会」や地区自治会が環境整備を続けてきました。
最近、守る会から相談を受けて、環境情報学部の高橋正昭教授が水質調査を実施しました。調査の概要は次の通りです。
調査地点:河川の5地点
調査日時:2011年7月4日
水質調査項目:pH、電気伝導度(EC)、COD、アンモニア、硝酸性窒素、亜硝酸性窒素、全窒素、全リン、カルシウム、マグネシウム
分析方法:パックテスト、電気伝導度計、COD(硫酸マンガン法)
流量:流量計
調査の結果、水質はやや富栄養化していることがわかりました。また有害物質も確認され、生活排水は近隣の不法投棄場所の影響なども推定されました。水質以外では人工的川床や河川水位の低さ(小流量)なども生物の生息環境に影響していると考えられました。
今後も調査が必要ですが、現状で考えられる対策として、生活排水処理の改善、産廃処分場問題の改善、河川の掃除、多自然型河床への変更(生物の棲家の確保)、朝明川からの導水量増加などが挙げられました。
河川の掃除はすぐにでも出来ることであり、よっかだいエコ活動も協力して、地域の方々と河川掃除も行われています。