鈴鹿山麓のシデコブシ群落保全活動

シデコブシ(Magnolia stellata)はモクレン科の植物で、別名でヒメコブシとも呼ばれます。古代の植物の形態を持つこのコブシは、日本の愛知県、岐阜県、三重県の一部にのみ分布し、自生個体群は絶滅危惧ⅠB類に登録されています。菰野町田光地区のシデコブシ自生地は三重県の天然記念物になっています。

四日市大学自然環境教育研究会(代表:保黒時男氏)は、このシデコブシ群落の調査を行っていますが、ここ25年間に著しく個体数が減り、絶滅の一歩手前にあることを確認しました。

田光やいなべ市大安町の群落では周辺の高木が林を暗くして、シデコブシの生息環境を悪化させていることがひとつの原因とわかりました。

このような里山では、多数の地権者の土地がモザイク状に存在し、その地権者は管理を放棄し、連絡もとりにくくなっている場合がよくあります。このシデコブシ群落の地域でも同様の問題が存在し、そのため研究会では地域の行政と連絡をとりながら、光環境の改善のために、周囲樹木の枝の小規模な伐採なども行っています。

将来的にはモザイク状の土地をまとめて管理するために、研究会ではトラスト運動なども計画しています。

環境情報学部は有志教員が中心となって研究会の活動を支援してゆく計画です。
 

開花したシデコブシ(平成23年4月菰野町田口)

開花したシデコブシの花(平成23年4月菰野町田口)

シデコブシ群落の分布と東海湖(古代にこの地域に存在した巨大な湖)の位置関係

シデコブシ株数の減少傾向と、大安町のシデコブシの写真

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