岡山県でも徐放性肥料プラスチックの海洋への流出が問題になっており、2020年11月25日に山陽新聞が一面で報道した。岡山県沖元の四番川の河口部に多量に漂着し、多い所では深さが5cmに達するという。岡山県下の3大河川、吉井川、旭川、高梁川の河口部でも汚染が広がっているという。
記事の掲載にあたり、同新から取材を受け、伊勢湾の状況をお話ししたところ、同日の社会面に関連記事として、私のコメントを掲載いただいた。
徐放性肥料プラスチックが海洋の生態系にどのような影響を及ぼしているかは全く分かっていないが、分解性の低いプラスチックが海洋に広がることは避けるべきである。農家は肥料にプラスチックが使われていることを、ほとんど意識しないまま使用しており、まず啓発が必要で、次に流出抑制対策を検討すべきである。
伊勢湾の調査で、徐放性肥料プラスチックは6月頃に多量に海に流出しており、水田での代かき作業などが関係していると推定される。適切な時期に、水田から河川や水路への流出路に2mm程度の目合いのメッシュを入れれば流出をかなり防止できると考えられる。
山陽新聞の記事は著作権の関係で掲載できないので、名古屋の水田で採取した徐放性肥料プラスチック(被覆殻)の写真を掲載しておく。
山陽新聞の一面のオンライン記事はこちらから閲覧できる。https://www.sanyonews.jp/article/1074690
同紙の社会面のオンライン記事は有料だが、こちらから閲覧できる。https://www.sanyonews.jp/article/1074704