オーストラリア環境スクール実施中(第2回目、千葉賢)

オーストラリア環境スクールも前半の6日間が終了しました。学生たちは充実した毎日を過ごしています。前回の投稿で3日目までを報告したので、今回は4日目(8/23)から6日目(8/25)を報告します。
 
8月23日には午前中にLogan市にあるLandfill(廃棄物処分場)を見学しました。Logan市はBrisbaneの南にあり、副所長(deputy manager)のBrodleyさんから最初に、処分場の歴史、構造、安全確保のしくみなどの説明がありました。Logan市の処分場は豪州6番目の規模で、行政だけでなく市民が直接車で廃棄物を持ち込むこと、その廃棄物からリサイクルできるものなどを取り除き、埋め立てる量を最小化していること、リサイクルできるものは場内で販売していること、などの説明がありました。また、埋立場所を見ながら、地下水へ汚染水が出ないようにする対策、水質検査のこと、脱臭の処理方法などの説明もありました。
 
学生たちからは多くの質問がありましたが、一番白熱したのは、何故、日本のように焼却処理をして減量化しないのかということでした。Brodleyさんは答えに多少困っていましたが、焼却処理が科学的に無害な方法だとしても、豪州の住民は決して納得せず、自分たちの地域には焼却場の設置を認めないので無理なのだと答えていました。お国柄の違いを感じた一場面でした。
 
午後はM.Kym Mayes氏からEcoBizの授業がありました。Mayes氏はQueensland州の環境大臣だった経歴の持ち主で、EcoBizの第一人者です。EcoBizは一言で言えば、省エネ・省資源を企業に奨励する仕組み(ビジネスモデル)です。積極的に取り組む企業にロゴの使用を認め、成績の良い企業は表彰し、補助金やライセンス料の減額などを行います。今年になり州の政権が保守派に交代になり、EcoBizがいったん廃止されたのが非常に残念と何度も話していました。非常に分り易く、ユーモアのある話しぶりに学生たちも引き込まれていました。
 
その後、2回目の英語の授業がありました。前回と同じ女性教師で、今回もいろいろ工夫のある教材を用意してくれましたた。主な内容は明日行く予定のNorth Stradbroke島の事柄で、英語を勉強しながら、BrisbaneやQueensland州のことを覚えるという内容でした。学生たちは授業に次第に慣れてきており、昨日よりもスムーズに授業に参加することができました。
 
8月24日はNorth Stradbroke島での野外活動でした。同島はBrisbaneの北東にある小島で、砂の島で有名なMoreton島の南にあります。フェリーでMoreton湾に出ると、周辺はマングローブが生えた干潟で、マングローブの緑と、干潟の黄色と、海の青色の変化が美しかったです。この景観の美しさに学生たちは大喜びで写真を撮っていました。
 
North Stradbroke島では、最初にアボリジニの末裔の説明員からアボリジニの世界観、狩猟民族であること、自然にあるものの利用の仕方、一度狩猟をし過ぎて野生動物を減らし、そこから学んだことなどを聞きました。また民族楽器やブーメランの実演も見学しました。
 
次に向かったAmity Pointで食事をとりましたが、食後にレストラン横のユーカリの樹上に野生のコアラを見つけ、学生たちは大喜びで写真を撮っていました。その後、有名な景勝地であるPoint Lookoutに向かいました。ここでは、崖上の散策路を歩いて景観を楽しみましたが、見下ろす海は絶景で、海中にマンタ(4-5匹)、大きなウミガメ(2匹)、サメ(1匹)などを見つけました。イルカやクジラも良く見られるそうで、学生たちは残念がっていました。散策路を抜けた所でアイスクリームを購入し、皆で楽しみました。
 
その後、Cylinder Beachに向かいました。水温は20℃と低めでしたが、学生たちはズボンを巻き上げて、裸足になって波と戯れました。砂の粒子が大変細かく、砂浜を歩くと、キュッキュッと音が出る鳴き砂でした。水泳も出来たのですが、ほとんどの学生は水着を持参しておらず残念でした。なお、水着を持ってきた女子学生1名は水着に着替えて元気に海に飛び込んでいました。(サメが来なくて良かったです。)Cylinder Beachからの帰路でも野生のコアラを2匹見つけ、一匹は子供を抱いていたため、学生たちは大喜びでした。
 
8月25日は土曜日で午前中が自由時間となり、午後にThronesideという街で植樹活動をしているHelen Street Bush Care Groupの作業を手伝いました。この地域は野生のコアラの生息地ですが、開発で樹木が減り、コアラの生息数が減少しているということでした。
 
苗木が用意してあり、学生たちは穴を掘って、苗木を埋める作業を行いました。腐葉土は数cmで、その下に堅い粘土層があり、それをハンマーのような道具で崩して穴を掘り、保水用のジェルを底に入れ、苗木を入れ、苗木の周りを黒土で囲み、さらに腐葉土を戻すという作業です。
 
目標は400本ということで始めましたが、途中で黒土が足りなくなり、200本程度で作業を終了しました。地域の方々は大変フレンドリーで、学生たちも地域の方々と英語で会話しながら楽しく作業を進めました。当日は快晴で、気温がどんどん上昇したため(約24℃)、大変でしたが、地域の方から大変喜んでもらい、学生たちも楽しい気持ちで現場を後にしました。
 
これで千葉の引率期間は終了です。27日から新田先生にバトンタッチします。
なお、8月26日(日)は終日自由時間です。学生たちは、Brisbaneの中心街に出て、いろいろ楽しむ計画をたてています。
 

Logan市のLandfill(埋立場)で副所長のBrodleyさんから説明を聞いているところ


 

埋立場の風景


 

車中でBrodleyさんの説明に耳を傾ける学生たち


 

埋立処分場に設けられたリサイクル品販売コーナーで説明を聞く学生たち


 

North Stradbroke島に向かうフェリーの上で。3大学の学生はすっかり仲良くなった。


 

アボリジニ末裔の説明員からアボリジニの文化について聞いた。写真は岩をこすって、染料や薬品に使ったとの説明を行っているところ。


 

岩をこすって出来た染料で勇者は顔に水平線を入れると聞いて、早速真似する学生たち


 

景勝地Point Lookoutで記念撮影。


 

Cylinder Beachは本当に綺麗な砂浜だった。波と遊び、時間を忘れた。


 

Cylinder Beachからフェリー乗り場に向かう途中で、野生のコアラを見つけた。


 

コアラはやっぱり可愛かった。


 

Helen Street Bush Care Groupから植樹方法の説明を聞いているところ。このあとで、ユーカリの苗木など200本を植えた。


 

堅い粘土層を砕くために、鉄のくいをふるう学生。結構、重労働だった。


 

Helen Street Bush Care Groupの皆さん。大変フレンドリーな方々だった。学生たちは、この方々と英語で談笑しながら作業を進めた。


 

植樹作業を進める学生たち。快晴で気温は24℃まで上がり、作業は大変だったが、地域の方々に喜んでもらい、コアラのためにもなりそうで、学生たちは嬉しそうだった。

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