日本学術振興会の「ひらめき☆ときめきサイエンス」を実施

2017年7月28日(金)に「ひらめき☆ときめきサイエンス 沿岸海洋の実践科学教室」を実施しました。「ひらめき☆ときめきサイエンス」は日本学術振興会が毎年募集している教育事業で、過去に科研費の代表者を務めた研究者が中心となり企画を練り、分り易い体験授業を行うことで、その研究成果を青少年に広めることを目的としています。今回は環境情報学部の千葉賢教授が中心となり、本事業を実施することになりました。
 
四日市市周辺や愛知県から集まった16名の高校生が午前10時に近鉄富田駅に集合し、そこからマイクロバスで四日市港ポートビルに向いました。ポートビルの会議室では、まず、千葉教授から海の環境科学についての講義を1時間受講しました。物理、化学、生物などが関係した少し難しい内容でしたが、高校生はメモを取りながら一所懸命に聞いていました。
 

海洋科学の講義の様子


 
その後、昼食休憩があり、ポートビルの14階の展望室から360度の雄大な四日市港とコンビナートの姿を眺めました。あいにくの天気で、視界はあまり良くありませんでしたが、高校生は望遠鏡を覗いたり、楽しい時間を過ごしました。
 

展望室から四日市港を眺める高校生の皆さん


 
午後は、いよいよ海洋調査です。四日市港管理組合の巡視船ゆりかもめで海に出て、四日市港内の2地点で採水や採泥などの海洋調査を体験しました。台風の影響で波が心配されましたが、港の中は平穏で、1人も船酔いは出ませんでした。海は赤潮気味で茶色っぽく、先ほどの講義で習った知識が早速役立ちました。
 
調査内容としては、クロロテック装置で水温・塩分・クロロフィル・溶存酸素を計測し、北原式採水器で採水を行い、それを各自がふらん瓶に採取し、溶液を加えて溶存酸素を固定しました。また、その他に透明度の調査とエクマンバージで採泥を行い、泥の酸化還元電位を計測したり、泥の臭いを嗅いだりしました。プランクトンネットでプランクトンの採取も行いました。 
 

四日市港管理組合の巡視船ゆりかもめに乗り込む高校生の皆さん


ゆりかもめ内の様子(窓が大きく、眺めは素晴らしかった)


採水作業の様子


プランクトンの採取の様子


船上で採取した海水に溶液を加えて溶存酸素を固定している様子


  
2時間の海洋調査の後、マイクロバスで四日市大学に向かい、大学の実験室で溶存酸素の化学分析(高橋元教授担当)と光学顕微鏡(三重県水産研究所の清水様担当)と電子顕微鏡(小川教授担当)によるプランクトンの観察を行いました。班に分かれて、これらを約30分間のローテーションで進めたので、大変忙しい作業になりましたが、高校生の皆さんはしっかりついてきてくれました。
 

滴定実験で溶存酸素濃度を調べている様子


プランクトンを観察する高校生の皆さん


観察された植物プランクトン(珪藻の仲間)


電子顕微鏡で撮影したプランクトンの画像の紹介もあった


 
これらの実習が全て終了した後に、代表者が今日の海洋調査や実験観察で分ったことや感想を発表しましたが、大変、立派な内容でした。その後、環境情報学部の井岡学部長から、修了証である「未来博士号」が手渡されました。
 

未来博士号の授与


  
参加した高校生からは、「普段経験できないことをいろいろ学べて大変勉強になった」、「伊勢湾の環境問題が良く分った」、「丁寧な授業で分り易かった」などの声が聞かれました。
 
この事業にご協力いただいた四日市港管理組合の皆様、三重県水産研究所の清水様に深く感謝申し上げます。また、参加いただいた高校生の皆さん、引率いただい四日市農芸高校の藤井教諭に御礼申し上げます。

Youtubeの映像

 

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