平津町の里山の竹林健全度とナラ枯れ調査(千葉)

環境情報学部の千葉セミナーの3年生7名が昨年12月から進めてきた平津町の里山調査ですが、これまでの結果がまとまったので、八郷地区自治会に報告しました。本サイトにも要旨を紹介します。

平津町の里山は大学に隣接した大きな森で、孟宗竹の繁茂が激しく、大変荒れています。
平津町の里山の麓部の標高は 26m前後 、尾根部は46m~60m前後です。
現在は鬱蒼とした森ですが、大戦直後からの様子を国土地理院の空中写真で比較すると、元々耕作地であった部分の多いことが分かります。竹林もこの間、大きく拡大してきました。
大戦直後から森林面積は増加してきましたが、その大半は竹林が占めています。
今回は平津の里山の北西部のみ調査しました。森は予想以上に荒れており、移動が難しい場所もありました。鬱蒼としていて見通しが効かないため、場所や移動方向の確認も困難で、約200mのビニールテープを山中に11本設置して、それをガイドにして計測を進めました。また山の起伏も大きく、学生たちの消耗度は激しかったです。調査結果ですが、健全度の低い場所は東側に集中しており、耕作放棄地を中心に竹林が拡大し、荒廃の進んだことが分かりました。
平津の里山の北西部の面積は7.6haで、竹林面積は4.8haで全体の63.5%を占め、
健全度1と2の荒れた竹林の面積は3.8haに達するという結果になりました。
ドローンの空撮写真からオルソ補正画像を作成し、上空から竹林健全度を判定できるか調査しました。健全度が低下すると樹冠密度が上がり、さらに低下すると竹が倒れ込むので、ある程度の判定は可能なことが分かりました。
ドローンの空撮写真からDEM(Digital Elevation Map)を作成し、地面の標高と比較しました。その差から、樹木(主に孟宗竹)の樹高は20~25mであると判断されます。
学生たちはヘルメットとゴーグルを着用して調査に臨みました。
コナラの毎木調査を行い、ナラ枯れの状況を把握しました。枯死率は23%で、
四日市大学キャンパスのコナラの枯死率と同程度という結果が得られました。

調査にご協力いただいた八郷地区自治会とヤマト運輸あかつきセンターに感謝申し上げます。また調査にご参加いただいた高橋正昭元教授と橋本幸彦准教授、及び、(一社)四日市大学エネルギー環境教育研究会の皆様に御礼申し上げます。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください