四日市大学環境情報学部



環境情報学部 千葉 賢

2018年5月23日(水)に、環境情報学部の必修科目である「環境情報学概論I」で「夢宣言」という講義が行われました。この講義では1年生が、それぞれの夢を紙にしたため、カメラの前に掲げながら宣言します。
 
彼らの宣言を収録し映像作品化するのが、メディアを学んでいる先輩学生達です。先輩学生が現場の舵を取り、カメラ、録音、照明、進行のチームに分かれ、1年生をリードしていきます。編集し、完成した作品は映像アルバムとして卒業時に手渡されます。この一連の流れは、毎年の恒例イベントとして定着しています。
 
語られた夢の中には現実的なものから徳の高い仙人が語るような内容まであり、バラエティに富んでいました。1年生は夢の実現に向けて、努力し夢を引き寄せてもらいたいです。
 
横の繋がりだけではなく、縦の繋がりも生まれるこの夢宣言。大切にしていきたい講義です。
 

夢をしたためた宣言用紙


夢宣言を収録する先輩学生たち


夢宣言を収録する先輩学生たち



2018年5月22日(火)と23日(水)の午前中に、武本教授と高橋元教授、ゼミ生らが十四川および海蔵川の本支流と上流の竹谷川・大口川を調査しました。この調査は学内のセミナー調査研究の一環として行われています。
 
富田地区の十四川は7年ほど前から「十四川を守る会」と共同で調査しています。今回は春の渇水期で、北鵤町での朝明川からの流入がなく、流量は少な目でした。
中流部のスーパーサンシ付近では、家庭排水や田畑からの流出があり、有機汚濁が認められ、窒素分やCOD(化学的酸素要求量)値は高めでした。
 
海蔵川は5年ほど前から下流と中流で継続調査しており、一昨年度調査依頼があった上流側も追加して行われています。海蔵川上流の大口川(菰野町)にある養豚場や竹谷川上流の県地区の養豚場からの排水が水系の汚染を起こしていることから、県(あがた)地区市民センターの安田新館長や「竹谷川の蛍と桜を守る会」と共同で調査実施中です。
 
県地区では、高濃度の畜産排水有機汚濁のため、蛍が減少したり、稲作が被害を受け、対策が急がれます。夏には稲が倒伏する被害がでており、かつ水田は富栄養の状態になっているそうです。ちなみに、窒素分は高濃度でした。三重用水からの導水できれいにする計画も議論されています。
 

十四川下流部:近鉄線路すぐ近くでの採水風景


十四川中流部のスーパー・サンシ付近での採水(流量小)


最上流部:東ソー倉庫近くの畑作地帯での調査


海蔵川支流の部田川上流部:山の一色ゴルフ場付近


海蔵川支流の江田川での採水作業


県地区市民センターでの事前打合せ


県地区の守る会の皆さんと海蔵川上流の竹谷川の支流へ


海蔵川上流の麦畑:大口川での採水


雨の中、大口川での計測作業



2018年5月20日にオープンキャンパスが開かれ、たくさんの高校生やご家族、高校教員の皆さんが四日市大学に来訪されました。千葉教授、片山准教授、関根准教授が環境情報学部での学びを体験してもらう模擬講義を行いました。
 
「雑木林から考える環境問題」(千葉教授)
〈概要〉普段何気なく見ている雑木林に、多様な環境問題が隠れています。昔は大切な燃料を供給していた雑木林の価値は薄れ、荒れ放題です。また、孟宗竹が雑木林の中で勢力を伸ばし、生態系を変えつつあります。雑木林で何が起きているか一緒に考え、我々の社会を見直しましょう。
 

大学裏山の雑木林を散策しながら草木の説明を聞いた


雑木林の散策後、里山環境についてのまとめの説明があり、その後、里山調査に使うドローンのデモ飛行が行われた。操縦は千葉ゼミ2年生の大和田君が行った。


 
「これでわかる!コンピュータ入門」(片山准教授)
〈概要〉コンピュータは、スーパーコンピュータからスマホなど身近なものにまで使用されていて、現代の情報化社会では必要不可欠なものとなっています。今回は、コンピュータのこれまでの発展過程と現在の問題についてわかりやすく説明します。
 

コンピュータとは何かについて、詳しい説明が行われた


コンピュータの動作原理を説明する片山准教授


  
「楽器と共鳴」(関根准教授)
〈概要〉楽器が音を出したり、音の高さを変えるのには「共鳴」という現象が大きく関わっています。この講義では管楽器を中心とした様々な楽器が、どのように音を作り出しているのかを、実際に音を出したり実験をしたりしながら考えてみたいと思います。
 

手作りの実験器具を調整する関根准教授


鼻笛(ノーズフルート)という珍しい楽器と管楽器の仕組みの紹介があった




2018年5月19日(土)に鈴鹿山系伊勢谷のブナ林の観察会を千葉教授のセミナーが実施しました。参加者は4年生3名、3年生4名、2年生6名(他ゼミ1名含む)の13名で学年間の交流も兼ねた活動でした。本ブナ林の調査を行ってきた保黒様(四日市大学自然環境研究会)と福田様(三泗自然に親しむ会)に指導者としてご参加いただきました。
 
雨は早朝に上がりましたが、風は一日中収まらず、高度を上げるに従い強風となり、山頂付近では身体が持って行かれるほどでした。そのため、体温も下がり、ブナ林を気持ち良く観察することは出来ませんでしたが、豊かな生態系がそこにあることや、ブナ林の貴重さと大切さ(水源涵養、斜面安定化など)、過去に実施してきた調査の苦労などを学生たちは実感したと思われます。
 
本ブナ林については詳細な毎木調査を実施済みで、次は群落調査を行う計画があります。学生たちに樹木や植物の知識をつけさせて、この調査を進めることを考えています。
 

朝明渓谷からいざ出発


最初に目を楽しませてくれたタニウツギ。ピンクの花が満開だった。


ヤマツツジも満開で、麓から山頂まで鮮やかな赤い花を咲かせていた。


学生に植物の説明を行う保黒様


登山道の傍らに咲くイワカガミにカメラを向ける学生


可憐なイワカガミ


本ブナ林の中で最も美しく「朝明美人」と呼ばれる個体。久しぶりに出会ったが、相変わらず凛としていた。


ブナ清水で記念撮影。学生たちは争って、この水をペットボトルや水筒に詰めて持ち帰った。

強風の中、山頂に向けて急斜面を歩いた。


ブナの逞しさと斜面安定化機能を象徴する「ど根性ブナ」で記念撮影するネパール留学生。


山頂付近ではシロヤシオが満開で、見事だった。登山道は落ちた花で白い絨毯のようだった。


根の平峠で植物を観察したり、世界各地のブナの分布の話などを聞いた。



環境情報学部の千葉セミナー(2・3年生)では、これまで報告してきたように、里山や里海の調査研究を行っています。学生たちは里山グループ(藤崎リーダー)と里海グループ(浅井リーダー)に分かれ、相互に協力しながら作業を進めています。現在、里山Gは大学キャンパスのナラ枯れ調査を進展中で、5月15日の調査で115本のコナラの調査を終えました。これまでのところ、全体の約1/3が枯死している状況で、生木にもカシノナガキクイムシの穿孔が多数見られ、今後、枯死数が増える可能性もあることがわかりました。これから暖かくなるに従い、蚊が増えてくるので、調査を早く終えようとピッチを速めています。
 
また、5月15日の午後には、八郷地区の関係者の皆様のご案内で、橋本幸彦准教授や学生たちと一緒に井坂ダム周辺の獣害状況を見学しました。住宅街のすぐ裏にイノシシの檻が置いてある様子に驚きつつ、付近の田んぼの電気柵を見学していると、用水路にウリボウ(イノシシの子供)4~5頭がいることを見つけ写真を撮りました。昼間にイノシシを見られると思っていなかったので、これにも驚きでした。今後は、八郷地区の皆様と協力しながら調査活動を進め、イノシシ等の生息状況を明らかにしてゆく計画です。
 
里海Gは、吉崎海岸で採取したマイクロプラスチックの分画作業(サイズ別の区分)を進めていますが、予想以上にプラスチック数が多く、時間が掛かっています。間もなく分画作業を終え、次は種類(レジンペレット、発砲プラスチック、硬質プラスチック小片、徐放性肥料プラスチックなど)の分類に移ります。6月9日に吉崎海岸で海岸ゴミ関連の大きなイベント(吉崎エクスカーション)があり、そこで学生たちは発表する予定で、こちらも作業のピッチを速めています。
 

ナラ枯れ調査を終えたコナラの位置


伊坂台のイノシシの檻を見学


伊坂台で用水路に落ちたウリボウを発見



2018年5月9日(水)に牧田准教授と2年生の学生が四日市大学西側(四日市市萱生町)の水田でプランクトン調査を行いました。学生にとっては初めての野外調査でしたが、みんなで協力して効率よく実施することができました。ガラス瓶に入れた試料を見ると、ミジンコ類がたくさん入っているのが肉眼でもわかりました。
 

柄杓(ひしゃく)を使って採水中


プランクトンネットで濃縮した試料をガラス瓶に回収



全国的にナラ枯れ被害が発生しており、三重県北勢地域でも鈴鹿山脈を中心としたミズナラの枯れ死が増加しています。四日市大学キャンパスの里山はコナラ林で、1960年代~70年代の燃料革命以降は放置されてきたと考えられ、大学が開学した1988年以降も計画的な管理はなされていません。現在、樹齢60年を超えるコナラの高木が増え、コナラの立ち枯れや、倒木も発生するようになりました。
 
ナラ枯れの原因はカシノナガキクイムシが媒介する病原菌による伝染病で、高木(大径木)ほど発生しやすく、感染した木を放置することで被害の連鎖が発生すると考えられています。そのため、計画的な里山の管理や、感染した樹木の撤去が重要ですが、なかなか実行できていないのが現状です。
 
そこで、まずは現状把握をするために、千葉賢教授のセミナーが調査を開始しました。大学キャンパスの里山の面積は約4万平方メートルで、概略調査では約300本のコナラがあると推定されています。2017年5月8日に千葉セミナー3年生の藤崎君と平野君が調査を開始し、zone1(写真)でコナラの毎木調査を行い、約60本の位置(緯度、経度、標高)、胸高直径、樹高、枯れ死の有無、カシノナガキクイムシの穿孔有無などのデータを記録しました。
 
今回の調査で、枯れ死したコナラを多数発見しましたが、一方で、その周りに非常に多くのコナラの幼木が育っていることも確認できました。このような林地の変化を観察し、記録してゆくことも重要と考えられます。今後も調査を続け、まずは大学キャンパスのナラ枯れの全容を明らかにする予定です。
 

四日市大学キャンパスの里山(Zone1~Zone5)


調査を行う藤崎君と平野君


調査中


2018年5月8日の調査で確認したコナラの位置



2018年5月6日(日)に「里海里山セミナー」(担当は千葉教授)の学生11名(2年生、3年生合同)が四日市市楠町の吉崎海岸でマイクロプラスチックの調査を行いました。1年生2名も調査を見学しました。
 
マイクロプラスチックはサイズが5mm以下のプラスチックのことを指し、硬質プラスチック小片、発泡プラスチック、レジンペレット、徐放性肥料プラスチックなどがあります。今回の調査では、約500mの海岸線に沿っての、これらのプラスチックの分布を知ることを目的としました。約50m間隔で調査点を設け、各地点で30cm×30cm×5cm(深度方向)の範囲の土砂を採取して、その中に含まれるプラスチックを採取しました。プラスチックの分画と種類分析は試料が乾燥してから行う予定です。
 
日射が強すぎず、風も穏やかで、調査には最高の日よりとなり、学生たちも楽しく調査を進めることができました。四日市うみがめ保存会様から飲み物の差し入れをいただき、また調査では三重県環境生活部の海洋ゴミ担当の北川様にもお世話になりました。感謝申し上げます。
 

吉崎海岸の全体写真


調査地点に集まり作業をする学生の様子


土砂を採取した区画


水に浮いたゴミを採取しているところ



毎週火曜日はロザリー・ホスキングさんとセミナーの日です.ロザリーさんはニュージランド・クライストチャーチの出身で,当地のカンタベリー大学から日本の算額(数学の問題が書かれた額)の研究で博士号を取り,2017年の10月から日本学術振興会の外国人特別研究員として2年間の予定で私の所へ来ている若い研究者です.現在,一緒に『大成算経』の最初の2巻の英訳に挑戦しています.
 
『大成算経』は関孝和(?-1708)とその弟子の建部賢明(1661-1716),賢弘(1664-1739)兄弟が天和3年(1683)から28年を費やして書いたと伝えられる全20巻,900丁(1800ページ)の大著です.ひょっとすると,最初から最後まで精確に読んだ人はまだいないのではないかと思うくらいの大著です.
 
『大成算経』第2巻には「金蝉脱殻」という名前の掛け算の方法が書かれています.長い間,私はその言葉の意味がわかりませんでしたが,今日ロザリーさんと話をしていて,ようやく理解できました.金蝉脱殻は中国の兵法の一つで,戦いの場から退却したり転戦する場合に,まだ陣地にいるように見せかけて,敵を欺きながら退却,異動する方法です.「金蝉脱殻」は読んで字のごとく「金の蝉が殻を脱ぐ」という意味で,敵が気づいたときには陣地は蛻の殻というわけです.写真は143と55とをかける計算の仕方を表したもので,右側の1,4,3が次第に0(空)になってゆき,左側に掛け算の結果が現れてきます.右側の様子を「金蝉脱殻」とはよく言ったものです.ちなみに,この名称は中国の数学書『算法統宗』(1599)にあります.
 



環境情報学部に、この4月から野生動物(哺乳類)の専門家である橋本幸彦准教授が着任しました。橋本先生は学部の自然環境分野に所属し、「環境保全学」「環境調査・実験」などの科目を担当するほか、2年生からのセミナーを受け持ちます。
 
橋本先生のメッセージをご紹介します。
 
「これまで、ツキノワグマの生態と保護管理を専門に研究していましたが、三重県に来てカモシカの調査を始めました。これからは様々な野生哺乳類を対象に研究していきたいと思っています。北勢地域にはタヌキ、キツネ、カモシカ、シカ、ニホンザルなど、様々な哺乳類が生息していて、一部は人間と問題を起こしています。これらの動物たちの生態や行動を調べ、どうすればうまく共生していけるか研究していきたいと思います。野生動物を研究する過程で多くの人と接することになります。このためコミュニケーション能力は非常に重要です。これを高めていけるような学生教育も目指しています。」
 
橋本先生のこれまでの活動の様子を写真でご紹介します。
 

発信器を付けたクマの居場所の探索


野生動物の生息数などを調べるライトセンサス調査


望遠鏡を使った野生動物調査


子供向けの講座


クマの子供を捕獲したところ



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