千葉研究室では2018年から河原に漂着しているペットボトルを採集し、その販売年代分布を調査しています。これまでに庄内川・新川河口域、員弁川の中下流域で調査を行い、販売年代分布に特徴があることを発見しています。500mLの飲用ペットボトルが製造され始めた1997年頃からのボトルが多数見つかること、最近の新しいものより、やや古い販売年代のボトルが多く見つかること、販売年代別のボトル数のピーク年が庄内川・新川河口域の方が古いことなどが分かっています。
これらは、ペットボトルの陸域や河川域の滞留特性に関係していると推定されます。海洋プラスチックごみ問題に対処してゆく上で、陸域からどのようにプラスチックごみが海域に流出してゆくかの過程や時間特性を明らかにすることは重要と考えられます。海域のプラスチックごみのデータは、陸域からの流出特性を考慮した上で評価されなれなければならないからです。
2021年11月27日に千葉研究室の3年生が木曽川下流域(背割提の木曽川側の河川敷)でペットボトルの採集活動を行い、200本を超えるボトルを集めました。ボトルは汚れたり、つぶれたりしたものが多くあり、他の河川のものとはやや違いが見られました。また、中身が残っているボトルも多く、これも他の河川との違いを感じました。
今後、採集したボトルを洗浄し、賞味期限の年月が読めないボトルについては、ボトル製造メーカーのロゴ別に区分し、PETボトル協議会に送付して、販売年代の分析を行っていただく予定です。