伊勢湾の貧酸素水塊の動画を作成(千葉)

貧酸素水塊とは水中の溶存酸素濃度が3mg/L以下となった水塊のことで、低酸素濃度でも生存できるゴカイの仲間などを除き、一般の魚介類の生存は困難です。浮魚種は貧酸素水塊から逃れ、動きの遅い底生動物は貧酸素水塊の中で弱体化し、低酸素期間が長期化すると斃死します。

伊勢湾は元々、貧酸素水塊が発生し易い海域で、大正時代の調査でも貧酸素水塊が確認されています。三重県水産研究所の定線調査の始まった1972年以降、5月から10月頃にかけて、毎年のように湾央を中心に貧酸素水塊の発生が観測されてきましたが、水質総量規制の始まった1979年以降も、発生規模は縮小することは無く、海底直上の溶存酸素濃度はむしろ低下傾向にあります。伊勢湾の魚介類は底物の魚介類(カレイ、クルマエビ、タコなど)などを中心に漁獲量が減少傾向にあり、貧酸素水塊の影響が懸念されています。

今回は、貧酸素水塊の3次元的な広がりを確認するために、三重県水産研究所の浅海定線観測の16測点(最下部の図を参照)のデータと、WebGLを用いてコンター図を作成し、YouTubeに公開しました。以下の動画です。よろしければ、ご覧ください。

貧酸素水塊の3次元コンターを詳しくご覧になりたい方は、https://eis-yokkaichi-u.jp/chiba/isewan/topography/index_h.html をご訪問ください。1986年4月からのデータが準備されています。このサイトではWebGLを用いており、データも重たいので、スマホやタブレットPCでのアクセスはお勧めしません。

三重県水産研究所の伊勢湾浅海定線観測調査地点と等水深線図(参考用)

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