日々の研究活動(3)2018年4月22日(日)(小川)

今日は日本数学協会の幹事会出席のため東京四ツ谷のトモエ算盤に出張しました.決算,本年度の企画,『数学文化』の編集など,いろいろな案件がありました.
 
その時,幹事の一人,亀書房の亀井哲治郎氏から,ふるさとミュージアム丹後(京都府立丹後資料館)で4月28日から6月10日まで開催される「丹波の算法少女」という企画展のチラシをいただきました.
 
「算法少女」は今で言えば「数学少女」という意味です.実は江戸時代(安永4年,1775年)に『算法少女』という少しかわった書名の数学書が刊行されています.この『算法少女』は児童文学作家の遠藤寛子先生による同名の小説『算法少女』(1974年サンケイ児童出版文化賞受賞,岩崎書店,ちくま学芸文庫)で有名になりました.遠藤先生の小説は2016年にアニメにもなっています.ちなみに遠藤先生は以前,四日市の羽津中学校の国語の先生をされていて,関孝和数学研究所主催の講演会で講演をしていただいたこともあります.
 
江戸時代の『算法少女』には「摂州 壺中隠者撰術 季女平氏輯」とあります.つまり,摂州(今の大阪から兵庫にかけての地域)の壺中隠者と号する者の季女,つまり末娘が解いた数学の問題を集めたものです.女性が主役となった数学書が江戸時代に刊行されていたとは驚きです.『算法少女』は国立国会図書館のデジタルコレクションで見ることができます.URLはhttp://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/3508165
です.
 

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